分不相応

茶道

ある時、気持ちが滅入っていた時のことです。

暗い気分を一変すべく、思い切って憧れのアイテムを手に入れることにしました。

通称「不二」。

Wikipedia該当記事より引用

本阿弥光悦が作った茶碗で、実物は国宝。

モノトーンが何とも言えないカッコよさ!

茶道具店にお願いして(初めて道具屋さんに依頼したお取り寄せだったので、大人になった気分でした笑)レプリカを買う事にしました。

ここからが話の本番。

憧れに憧れた道具を遂に手にし、喜びの絶頂に至るかと思いきや…

とてつもない虚無感に襲われたのです…

何故こんな気持ちになるのか自分でも全く分からず、それはとても気持ちの悪いものでした…

なんでこんな思いに苛まれるのだろう…

モヤモヤした日々はしばらく続きました。

そんな気持ちの晴れないある日、気分転換に毛利博物館へと足を運んでみました。

大名の風情

さすがは大大名!

お屋敷や庭園はもちろんのこと茶道具コレクションも圧巻。

2階水屋

お茶の準備をする裏方の部屋(水屋)ですら、我が家のリビングより広かったです笑

重要文化財だらけ

作りの丁寧さ、豪華さ、絢爛さ。

何もかもが立派で圧倒されました。

そして、気付いたのです。

ここが、あの茶碗のいるべきところなのだと!

考えてみれば、「私の住むボロアパートに国宝(レプリカですが)を招く事自体、大変おこがましいことではないか」と思うに至ったのです。

違和感の正体が分かり、気持ちは晴れ晴れとしました。

そして自分の好みが、もっと「庶民的」というか、「日常的」というか、「民藝的」というか、そういった類のものであることが再確認できたのでした。

民藝的であるといえば、暮らしの雑器から日本を代表する権力者の手を渡り歩いた大名物、「井戸茶碗について、いつか少し考えてみよう。

Wikipedia該当記事より引用

庶民的で日常的で民藝的(と言われている)井戸茶碗には惹かれないんだよなぁ…これは一体何でだろう…

謎が一つ解けたら、次の謎がやってきます。

いつか自分なりの落とし所が見つかったら、また記録しようと思います。

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