呼吸について

暮らし

ダイエットの為にせっせと自転車を漕いでいるときの事です。

息が上がってきて、ハァハァと荒い呼吸を繰り返している際に生じた身体感覚は、とても不思議なものでした。

空気を吸い込む。

朝の空気は冷たい。

その分、ほんの少しだけ体の熱が奪われる。

吸い込んだ次の瞬間、息を吐く。

体温が移って生暖かくなった吐息は、顎の下を通って後ろへ流れ、消える。

次の瞬間には、また冷たい空気を吸い込み、私の体温で温めて、冷たい外へ吐き出す。

温かい身体と冷たい外気が、何度も何度も素早く交換される。

生きていくために酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出す呼吸。

それと同時にわずかながらも温度も交換される。

世界が私を冷やして、私が世界を温める。

私が世界に影響を与え、世界が私に影響を与える。

呼吸を通じて、自分と世界との相互作用を直感的に理解しました。

この身体感覚は表現するのがとても難しいのですが、「わかった!」という感覚で、とても気持ちの良い体験でした。


そんな身体感覚を持った折、NHKでたまたま出ていたネルケ無方というお坊さんが『最も大事なものは呼吸です』と言い切っていました。

そしてこの記事を書いていて、10年くらい前に聞いた講演を思い出しました。

多くの著作で知られる医師の小林先生も「呼吸を止めない事」の重要性を、様々な医学的検知から語っておられたのです。

さらに思い出したのが、英語のinspireとは「息を吹き込む」が語源でした。

呼吸に関する様々な知見について、知識と身体的な経験が繋がりました。

人生100年。

息をするから、生きている。

日常の当たり前のことに価値がある、という事を忘れないようにしたいものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました