炭手前の稽古の際。
「羽根を持つ手に力が入りすぎている」と指導を受けました。
親指と人差し指で、軽〜く、羽先がフワフワするくらいの持ち方の方が良い、との事。
師匠の教えを素直に受け止め、教えの通りに羽根を持つ。
本当にこれで良いのか?というくらい軽く持って、やってみたところ。
大変スムーズに、かつ軽やかに身体が動き、それに合わせて羽根もごく自然に動いたのです。
羽根を動かしたというより、羽根が勝手に動いてくれたような本当に不思議な体験でした。
私の場合、お点前の順番や動作に気を取られ頭を働かせていると、身体が固まって無駄な力が入ってしまうようです。
これは!と思い、今度は茶筅を振る手も同様にごく軽く持ってみました。
すると今度も、かつてないほど穏やかな調子で、しかも確実に茶を点てることができたのです!
これまではどうしても茶筅を振る右手の力のせいで茶碗が前後に揺れていました。
その揺れを抑えるべく、今度は茶碗を持つ左手に更に力を加えて押さえつける、という事をしていました。
しかしこれでも揺れを完全に制御する事はできず、どうしたものかと思っていたところだったので、大変驚きました。
つまり。
力の影響は力で抑えるのではなく、力を抜くことで、影響そのものを無とするべし。
…茶道の奥義と言っては超大袈裟ですが、私にとっては「力を抜くこと」にはそういうインパクトがありました。
人生100年。
私にとって茶道は学びの宝庫。
もっともっと、学び、感じたい。
これからも精進します。
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