新築、建築の記録

暮らし

構想から約3年。

遂に我が家ができました。

人生100年、家族と共に、地域と共に、長く楽しく生きてゆく拠点。

いつ、何を考え、どう変化してきたのか、その軌跡を記録しておこうと思います。

リフォームか、新築か

我が家は祖父母の家の跡地に建っています。

この土地に住むことを決断した上で最初に検討したのは「リフォームか、新築か」。

最終的には、安全性の観点から新築にしました。

人生100年時代、最低でも50年以上は暮らすことを考えた上で、古い家は次の点に不安がありました。

・耐震基準等が見直される前の建築物であったこと

・雨漏りがしていたこと

これらをリフォームでやり過ごせるかどうか、不安が拭いきれませんでした。

2021/12/25 解体の為に中庭を更地に

そして解体の際に、その決断が正しかったことを解体業者さんに教えてもらいました。

基礎は手練りのコンクリートで現代基準のものと比して遥かに弱く、柱も構造上不安な箇所がいくつかあったそうです。

2022/01/25 解体には約1ヶ月かかりました

家づくりの優先順位No.1は、家族の安全。

この判断は正しかったようです。

地鎮祭

解体が終わったら、家を建てる前に地鎮祭。

2022/02/20

地鎮祭には「人間が土地をいただくから、そのお返しにお供えものを差し上げる」という意味がある、と神主さんに教えてもらい、勉強になりました。

結界用のしめ縄や竹の調達を自分たちでしなければならない、というのに少々驚きました。

しめ縄なんてどこで調達すればいいのかと思いましたが、ホームセンターの園芸用のもので代用OKとの事。

何とか間に合いました。

ハウスメーカーか、工務店か

家を建てる際に考えることの一つが、誰に家を建ててもらうか、です。

即ち、ハウスメーカーか、地元の工務店か。

私も家族も「地域に根差した暮らし」を希望していたので、地域で信頼されている工務店に依頼する事にしました。

聴竹居を参考に

家にはいろいろな形があり、そのバリエーションは無限にあります。

家づくりのコンセプトとして参考にしたのは、藤井厚ニ聴竹居

日本の風土に適応した住宅を目指して作られたお家です。

・地震が多い故に、条件が許す限り平家がよい。

・夏の暑さを凌ぐ事を優先し、軒は深くなければならない。

など建築思想のエッセンスを我が家にも採用しました。

2022/11/20

特に軒は、かなり深めにお願いしました。

これで雨風から家を護るだけでなく、夏の日差しを避けて冬の日差しを中に入れる事ができます。

基礎

振り返ると、基礎を打つ期間が一番長く感じました。

70過ぎの職人さん二人、ゆっくり丁寧に仕上げてくださいました。

2022/03/14

自分の父よりもはるかに年長の職人さんが鉄筋を1つ1つ針金で締め上げているのを見て、その年齢までプロフェッショナルとして働けることを羨ましく思いました。

まさに人生100年です。

2022/05/02 排水管の埋設

ここまで出来たときにご近所さんから「ここの基礎には換気口がないんだね」と言われ、確かにその存在がないことに気付きました。

工務店さんに尋ねると、最近は基礎に換気口を設けるのではなく、基礎全周に通風性のあるパッキンを敷設する「基礎パッキン工法」が主流なのだそうです。

2022/05/17 基礎パッキン

どこの世界でもイノベーションが起きているんですね。

上棟式と餅まき

基礎作りと比べると、棟上げは一瞬です。

2022/05/17

吉日大安に上棟式。餅まきはその翌日の土曜日に行いました。

2022/05/20

意外だったのが、上棟式も餅まきも午前中にやるイメージだったのですが、17:30からの開催でした。

2022/05/21

両親には地域の餅屋に6升分の餅を発注してもらい、私は餅まき開始の合図となる吹流しを調達。

吹流しを掲げる竹竿は、お隣さんの敷地内にある竹藪から分けていただきました。

ご近所さんや息子の幼稚園の友達にも告知をし、当日は沢山の方々に来ていただけました。

お餅は私と父の二人で撒きました。

平家とはいえ、屋根の上に登るのは怖かったです。

2022/05/21

古くから続く日本の習俗を地域の中で行うことができて、大変よかったです。

構造強化、断熱と防水

柱と柱の間に入る耐力壁はダイライト、防水シートはタイベック、断熱材はミラフォーム。

しっかり断熱と補強としていただきましたが、茶室としての機能も果たせるように一部は切り抜いて炉を入れてもらいました。

2022/06/15

茶室を作るにあたって学んだ大事なことは、「目的を決めること」。

私自身の稽古のためと目的を定め、茶道的な装飾は可能な限り排除。

茶道の先生に相談を仰ぎ、訓練のために本勝手、逆勝手と使える場所に炉を切ることにしました。

2022/11/20

床の間に打つ釘が、残す課題です。

残り64年を過ごす家

新築に転居してきたのが36歳。

人生100年時代。

36歳の私は残りの人生をこの家で過ごす事を想定していますが、この地域と共に、豊かな人生を育む拠点ができたと確信しています。

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