カバークロップとは
最近凝っているリジェネラティブ農業(環境再生型農業)の研究。
作物を栽培するのと同じくらい重要なのが、カバークロップ(緑肥、被覆作物)の栽培です。
リジェネラティブ農業について少し調べた記事の中にも出てきました。
地表面をびっしりと植物で覆い尽くしてしまう事によってどのような効果が得られるのでしょうか。
カバークロップの目的を定める
重要なのはカバークロップを育てる目的。
それで何がやりたいかという事が重要です。
土地の有機物含有量を引き上げたいのか?
水分浸透速度を上げたいのか?
多様性を増したいのか?
養分循環を向上させたいのか(つまり化学肥料の使用を減らしたいのか)?
雑草を抑えたいのか?
害虫を抑えたいのか?
塩分濃度の問題に対処したいのか?
はたまた野生動物の棲み処をつくりたいのか?
花粉を運ぶ虫を引き寄せたいのか?
家畜の飼料にしたいのか?
リストはまだまだ続く。
何がすばらしいって、カバークロップは正しく使えば、これらすべての目的に応えられるのだ。」
—『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン著
https://a.co/9kqrwuI
驚くべきことに、使う植物の種類や組み合わせを選ぶことによってカバークロップでかなりの目的が達成できるのです。
私の場合、耕起を繰り返した土壌へのアプローチ。
先ずは土壌中の有機物を増やしたいです。
そして表土の流出を抑える為に地表面を覆う植物を。
更に雨水が表面を流れて流出するのではなく地中に浸透していくようにしたいです。
つまり、「有機物を増やす」「地表面を覆う」「深く根を張る」という役割を果たしてくれるカバークロップを選んでゆくのです。
その種類と組み合わせを検討してゆきます。
カバークロップの種類と組み合わせ
カバークロップとして使える植物にはどのような種類があるのでしょうか。
日本では「緑肥」という位置づけでこの分野の研究がされており、農研機構のHPによれば次のような作物が利用されているとのことです。
再び『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』から引用すると、上記の他にもさらにこんな種類の植物たちがカバークロップとして使われていました。
私がよく使うブレンドは、スーダン型ソルガム、トウジンビエ、ササゲ、緑豆、一年草のスイートクローバー、ヒマワリ、ケール、大根、ソバ、ベニバナの暖地型セット。
—『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン著
https://a.co/042itHE
ダイコンを緑肥として用いるなんて、驚きです!
さて、「有機物を増やす」「地表面を覆う」「深く根を張る」これらの目的を達成する為には、何をどうすべきでしょうか。
有機物を増やす…イネ科やキク科の植のエンバク、ライムギ、ソルガム、ギニアグラス。ヒマワリやマリーゴールド。マメ科のクロタラリアも効果は大きいようです。
地表面を覆う…イネ科のエンバク。ライムギ。ソルガム。ヘアリーベッチ。
深く根を張る…イネ科のソルガム。マメ科のヘアリーベッチ、クロタラリア、クリムゾンクローバ。マメ科のキク科のヒマワリ。
これらの条件を満たす植物は、イネ科はエンバク、ソルガム、ライムギ。マメ科はヘアリーベッチ、クロタラリア、クリムゾンクローバ。キク科はヒマワリ、マリーゴールド、となります。
欲張って生物多様性を推し進める為に、ここに少しずつ他のいろんな植物を混ぜ込んでもいいかもしれません。
緑肥と作物の輪作
カバークロップの種類が大まかに決まったところで、続いて「何を育てて収穫したいか」に移ります。笑
フツーの農家と真逆の発想が許されるのは、趣味の農園だからこそ。
春はジャガイモ、ソラマメ、スナップエンドウ、タマネギ。
夏はニンジン、エダマメ、ラッカセイ、インゲンにトウモロコシ。クウシンサイにツルムラサキ。シソにバジル。
秋はサツマイモ。
冬はホウレンソウ、コマツナ。
こんな塩梅で通年収穫が楽しめるようにしたいので、緑肥区画と栽培区画とを交互に循環させながら管理する必要がありそうです。
カバークロップの管理
カバークロップを適切な時期に植えたとして、そこには一面に緑が広がります。
もちろんそのまま植物を植えるわけにはいきません。
不耕起栽培で、畑一面の植物をどのように管理し、目的の野菜たちを植えてゆくのか。
カバークロップの管理については後日、別記事で検討することにします。
リジェネラティブ農業に惹かれる理由
ここまで調べてゆく過程で、私がリジェネラティブ農業というコンセプトに妙に惹かれる理由がわかった気がします。
これまでも緑肥やコンパニオンプランツという方法論に惹かれ、記事にしたり実践したりしていたのですが、これらと重なっているのです。
共通項は、植物の力で植物を育てるということ。
生き物が大好きで、生態系や生物多様性の保全などのキーワードに引き寄せられやすい私にとって、リジェネラティブ農業との出会いは必然であったのかもしれません。
これからもっと追求してゆきます。
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