表紙のトリはアカアシシギ。
今月号は生態系についての記事が印象に残りました。
コマドリ
オレンジのお顔がとてもチャーミングなコマドリ。
コマドリは、おもに日本列島の山地や寒冷地の森林で繁殖する夏鳥です。
南西諸島や中国南部などで越冬し、春になると日本に渡来して、本州であれば標高1,500m前後の落葉樹林や針広混交林で子育てします。
コマドリが好むのはササなどの下層植栽の多い森林で、食物を探すのも茂みの中なので、姿を見つけるのは容易ではありません。
野鳥.2022年5-6月号.p12.関伸一著
私が住んでいるのは広大な筑後平野のど真ん中。
出会える可能性は低そうですが、今後ますます出会える可能性は低くなるかもしれません。
というのも、西日本では生息地の縮小が深刻なのだそうです。
その原因は、増えすぎたニホンジカ。
シカに低木やササなどを食い尽くされ、生息地が奪われているからです。
シカの増えすぎ問題は経済活動では農林水産業の課題でもあり、生物多様性に対する脅威でもあるのです。
適正な森林環境作りの為に、ハンター免許を早く活かしたいです。
ハリガネムシが紡ぐ森
ハリガネムシといえば、よくカマキリに寄生している黒くて細長い不気味なイメージの寄生虫。
実はハリガネムシは森林で超重要な生態系の一部を担っているのです。
ハリガネムシは生涯を通じて何種類かの生き物に寄生してゆきます。
先ず生まれたてのハリガネムシは水生昆虫に寄生。
それを食べる陸の昆虫に捕食される事で寄生主を乗り換えるます。
最後は再び水中に帰る方法のですが、その方法が凄いの一言。
謎の働きによって寄生主を操り、入水自殺させるのです。
この水に飛び込んだ昆虫は速やかに渓流魚のエサとなり、ハリガネムシは首尾よく水中に帰ると共に、渓流魚はこれを栄養源とする事で命を永らえる事ができているというのです。
イワナやヤマメ、アマゴのような渓流魚は、豊かな自然の象徴のような生き物です。
そんな渓流魚の生態系を支えているのがハリガネムシの寄生行動だったとは、自然はすごいとしか言いようがありません。
シカとコマドリ。
ハリガネムシとイワナ。
まさかそんな繋がりがあったなんて。
人生100年。
自然を知る面白さは、知れば知るほど深まってゆきます。
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