事例研究.坪口農事未来研究所

環境

(投稿日:2021/03/10)

patagoniaのコラムで紹介されていた農業法人、坪口農事未来研究所。

興味深い事例なので、少し調べてみることにしました。

概要

兵庫県豊岡市で、耕作面積は約31ha(水稲30ha、野菜&花卉1ha)。

現在の栽培品種はコシヒカリ・みどり豊・いのちの壱・黒米・赤米など、約10haを、コウノトリ育む農法で作っているそうです。

2019年に営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)1機建設、2020年に3機とハウス型1機を建築。

この農家さんに特徴的なのは、「コウノトリを育む農法」「ソーラーシェアリング」

コウノトリを育む農法

コウノトリを育む農法とは、生き物が生息しやすい環境づくりを取り入れた農法。

冬の田んぼに水を張る「冬水田んぼ」やオタマジャクシに足が生えるまで待つ「中干延期」、育苗段階からの有機質肥料の使用、無農薬または減農薬での安全・安心な栽培など、様々な技術を採用。

冬水田んぼは、野鳥の会の会報のレビューでも少し触れました。

田んぼを人口の湿地帯にすることで生き物を呼び寄せ、保護し、田の土壌と生態系を豊かに保つ取り組みです。


一方中干延期とは聞いたことがなかったので調べてみました。

水田の自然再生マニュアル

福井県の発行するマニュアルにその記載を見つけることができました。

まず、中干しとは、夏の暑い盛りに田んぼの水を抜いて、土にヒビが入るまで乾かす作業のことです。

中干しは稲の成長を調節するために必要な作業で、以下の効果を期待して行われます。

1. 根が強く張るように土中に酸素を補給して根腐れを防ぎ、根の活力を高めます。
2. 土中の有害ガス(硫化水素、メタンガスなど)を抜くことができます。
3. 水を落とすことによって肥料分である窒素の吸収を抑え、過剰な分げつ(ぶんげつ)を抑制します。
4. 土を干して固くし、刈り取りなどの作業性を高めます。

この実施時期を、オタマジャクシがカエルになるまで待つのが、中干し延期ということでした。

中干しの時期を7月初旬まで延期し、オタマジャ クシがカエルになることを助けます。

→カメムシなどの害虫を食べるカエルが増え ます。

水田の自然再生マニュアル

天敵を利用した害虫駆除の技術ですね。

ソーラーシェアリング

さらに農地で太陽光発電を行う、ソーラーシェアリングを実践。

YouTubeの紹介動画によれば、8-12月で月平均26,447kwの発電で、年間約600-700万円の売電収入が得られる、とのこと。

動画に登場する、畑に作り上げた太陽光発電設備のほかに、がっちりHOUSE5 といったハウス型の太陽光発電設備もあるみたいです。

発電した電力はPatagoniaが全量を買取。


自然電力から電気を購入したり※、最近近所でコウノトリを目撃したりしている私にとって、とても関心のある経営方針の農家さん。

我が家の家庭菜園も、環境フレンドリーで野鳥フレンドリーな畑にしてゆきたいなと思います!


※電力価格急騰に伴い、2021年2月より不本意ながら九州電力へ避難中。再生エネルギーの政策的な課題はいつか別の機会に研究しようと思います。

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