肥料のメモ、元素について

植物

(投稿日: 2020/10/05,最終更新日:2020/12/02)

コンポストで堆肥作りを学ぶ過程で、植物の肥料全般に興味が広がったので、改めて調べてみました。

肥料のメモ、各種有機肥料についてはコチラ。


チッ素(N)

根や葉の伸長を促進するため「葉肥」とも。過剰なら病害虫に弱くなり、不足なら葉が黄色くなって落葉する。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変

ナタネ油かすの主成分はチッ素(5-6%)。リン酸やカリウムもわずかに含む。肥効が長続きする緩効性肥料として、土壌の物理的性質改善や、土壌微生物を増やす働きも大きい。

図解でよくわかる土・肥料のきほん

ダイズ油かすの主成分はチッ素(7%)。

分解速度はダイズ油かすが最も早く、なたね油カスは遅い。

肥効の速さは有機質肥料の中でトップ。

ただし、植物油かすは分解される過程で有機酸を発生させるため、畑に入れてすぐに播種すると発芽障害を起こす。

油かすは基肥として、作付の2週間以上前に土に混ぜておくことが必要だ。

お勧めしたいのが、発酵油かす(ボカシ肥)にすること。発酵処理すれば施肥後1週間で作付ができ、追肥にも使える。

図解でよくわかる土・肥料のきほん

福田俊先生の手作りボカシ肥料のレシピ

米ぬか 3.5kg、油かす 1.5kg、魚粉 1.5kg、骨粉 1.0kg、キビ糖(または黒砂糖) 750g、水 1.5L、ヨモギ発酵液 50-100ml

福田さんのラクラク大収穫!野菜づくりより

マメ科植物が根に共生させる根粒菌は、窒素の供給源。

炭素と窒素の割合(C/N比)が大事(コンポスト記事)。


リン酸(P)

開花と結実に関係するため「花肥」「実肥」とも。欠乏すると葉が暗緑色になったり、赤紫色になったりする。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変

米ぬかの成分をみると、リン酸の多い有機質肥料である。(N:P:K=2:4~6:1.5)

しかし、脂肪分が多いので水を弾き分解が遅い。観光生のリン酸肥料である。

米ぬかには糖分やタンパク質も多く微生物の大好物で、堆肥を積み込むときに混ぜると腐食が速くなり、悪臭も出にくい。

オススメは、米のモミガラを積んで、たっぷりの米ぬかを混ぜ込み、水分を調整してブルーシートをかけて作る「リン酸豊富なモミガラ堆肥」である。

図解でよくわかる土・肥料のきほん

他には動物質を原料とする肥料が多い印象。

バットグアノ(コウモリの排泄物)や鶏糞などが代表的か。


カリウム(K)

根の発育を促進するため「根肥」とも。

不足すると葉の周辺や先端が黄色や褐色に変化して落葉する。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変

草木灰で補う。草木灰はアルカリ性なのでpH調整にも。

草木灰は古くから使われている代表的な有機のカリ肥料で、リン酸や石灰も含む。

肥料成分は灰にした植物によって異なるが、樹木の灰ではカリウム7-8%、リン酸3-4%、石灰分を11%程度含んでいる。

(中略)

草木灰は強いアルカリ性なので、使いすぎによる土壌のアルカリ化に気をつけたい。

アルカリ性肥料は混用にも注意が必要で、硫安や過リン酸石灰等は草木灰と混用散布できないことも知っておきたい。

図解でよくわかる土・肥料のきほん

カルシウム(Ca)

細胞間同士を強く結びつけたり、根の伸長を促進する。欠乏すると根や葉の先端の成長が止まる。トマトの尻腐れや白菜の芯腐れが知られている。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変


マグネシウム(Mg)

光合成に必要な葉緑体の成分。

不足すると葉脈の間に黄色症状や壊死斑が現れる。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変.

苦土石灰の苦土とはマグネシウムのこと。


イオウ(S)

窒素同様、タンパク質の主成分。リン酸と同じくらい多量に必要で、不足すると病害虫に弱くなる。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変


微量元素

これ以外に必要な要素は「微量元素」に分類され、鉄、マンガン、亜鉛、塩素、モリブデン、ニッケル、ホウ素などがある。これらは土壌中にある程度含まれているため、通常は肥料として補う必要はない。

農業のきほん.堀江武.成文堂親光社より引用改変

ケイ酸

水稲栽培で重要。イネの骨格にあたる成分。

超豪快イネ作り

・もみ殻の焼却灰からケイ酸分を補う(参考資料)

・もみ殻は低温(400度くらい)焼く事でケイ酸が使えるようになる。(参考資料)


植物の栄養に迷ったら、ここの記事に立ち返ろうと思います。

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