オランジェリー

植物

(投稿日: 2020/08/21)

「オランジェリー」といえばパリにある印象派の美術館、「オランジェリー美術館(Musée de l’Orangerie)」が有名です。

この美術館の名前の由来ですが、l’Orangerieの綴りからわかるように、オレンジ(カンキツ類)と関係があります。

オランジェリー(orangery)とは、ルネサンスの庭園において、東方の植物として珍重されたオレンジシトロンなどの樹木を寒い季節の間養成するためにつくられた温室の原型。

その多くは窓面を大きくとり、運搬に便利なように木の箱や素焼の鉢に植込んだ果樹を置き、火で暖めた。

(コトバンク > ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 > オランジェリーとは)

お城ではなく、植物のための温室です。

カンキツ類は寒さが苦手な植物。

寒い冬を越すためは温室が必要で、かつては室内で焚き火を焚いて温めていました。

一冬を越す間中、ずっと焚き火を焚き続けると薪代だけでも相当な燃料代がかかります。

それができるだけの財力がある人のみがカンキツ類を栽培できたのです。

それは正に富の象徴でした。

ヨーロッパの立派な庭園にはレモンの鉢植えが沢山飾ってありますが、それにはこうした背景があるのですね。

日本では今やどこでも入手・育成可能なレモンの木。

オランジェリーに想いを馳せると、レモンの栽培はとても贅沢な遊びのような気がします。

コメント

  1. […] ツバキは盆栽風に、レモンは地中海の鉢植え風にしたい。 […]

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