出張先にて。
長さ数百メートルもあるコンクリート製の橋。
そのど真ん中に一輪、スミレが咲いていました。
スミレのタネはアリが好む物質がついているそうですから、ここまで運んでもらったでしょう。
それにしても、すごい。
時を同じくして我が家の庭でも、育てていないはずのスミレが咲き始めました。笑
これはおそらく頂きもののスミレ、薄紅肥後。
鉢植えから運び出されたタネが根付いたのでしょう。
ここの土地は砕石で地上げしているので、植物が育つのに適した土ではありません。
アリやハチなど他の生物と密接に関わりながら、いかなる過酷な環境でも生き延びるクレバーなタフガイ。
その可憐な姿からはそんな特徴を全く感じさせません。
鎌倉時代の高僧、明恵上人は道端に咲くスミレに手を合わせ
「この一茎草の花、不可思議、不可説、不可商量なり」
と感動に打ち震えたそうです。
この小さな花ひとつの中にある、推し量ることのできない不可思議さ、凄まじさ。
これに気づくと、もうどんな植物を見ても感動しかありません。笑
人生100年。
折々の植物たちと出会い、「今しかないこの季節」を味わってゆきたいです。
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