2024年、堂ごもりの記録

暮らし

私の住んでいる集落では、毎年11月末になると「堂ごもり(どうごもり)」というイベントが行われます。

いつも草刈りをする仲良しメンバー(平均70歳超、全員男性)が集まり、派手な焚き火を行い、その横でBBQしながらお酒を酌み交わす、楽しいイベントです。

堂ごもりとは

初めてこのイベントに参加した際に、神無月の終わりに出雲から帰ってくる神様たちに迎え火を焚くというような由緒があることをある方から教えてもらいました。

堂ごもりの堂とはお堂のことで、そこに「こもる(籠る、篭る)」から、堂ごもり、というそうです。

別のある人曰く、この堂ごもりは昔は最年長が中学生、ほとんどが小学生のような子供たちだけで焚き火をしていたそうです。

この焚き火を利用して焼き芋を焼いていたとか、焚き木を集めるのには馬車を使っていたとか、貴重な話をたくさん教えてもらいました。

地域の結束力

そのイベントが今に至るまで続いている大きな理由の一つに「地域の結束力の高さ」がありますが、この地域の結束力の起点に私の祖父の名前が上がってきたので驚きました。

地域の草刈りは「環境青年部」という地域住民による自治で行われており、この組織が実質的に地域自治をリードしているのですが、この環境青年部の初代代表が私の祖父だというのです

なんでも地方自治の組織を立ち上げる際に、代表者が決まらず困っていた折、私の祖父が立候補することで組織がまとまったとの事。

そしてその組織は現在に至るまで続いており、地方自治に関する取り組みを通じて毎年、行政の補助金(多面的機能支払交付金)を獲得し、自治の一助としています。

皆さんが楽しそうに私の祖父の思い出を話している姿から、愛と尊敬を集めていたであろう事をひしひしと感じました。

(堂ごもり自体は『環境青年部』とほぼ同じメンバーで構成される『昭和会』という別の自治組織の持ち物になっているのですが、その辺のニュアンスについては十分理解することができませんでした)

参与観察

社会科学や文化人類学の研究手法の1つで、調査者が調査対象の集団やコミュニティに実際に参加して、その中での行動や文化、相互作用を観察する手法のことを「参与観察」といいます。

この地域に住みはじめて、都市生活では到底味わえないような体験やイベント、人間関係の在り方や関わり方を体験させてもらっており、それらについて興味が尽きることがありません。

高齢者が多いので、10年後や20年後には失われてしまう記憶や記録も多いことでしょう。

今のうちにたくさんお話を伺って記録しておきたいと思います。

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