家を建ててから早くも2年が経ちました。
茶室において最も重要とされる床の間がこれまで手付かずでしたが、ついに着手。
お花や掛け軸を飾るための釘を打ちます。
失敗するとダメージが大きいので最初は大工さんにお願いしようと思っていました。
しかし、あれこれ考えているうちにどんどん時間を浪費するばかり。
思い切って自分で釘を打つ事にしました。
私が目指す茶人とは、完璧さを追求する茶人ではありません。
失敗を恐れず、常に挑戦する心を忘れない茶人でありたいのです。笑
無双釘を諦める
床の間の飾り付けには様々な方法があるので、その道具を引っ掛けるための釘を打つ場所も様々です。
いくつもある釘の中でも、特に欠かせないとされる釘が3種類あります。
掛け軸を飾る軸釘、柱に花入を飾る花入釘。そして床の間のど真ん中に花を飾る無双釘です。
この3種のうち、無双釘だけ一旦諦めることにしました。
後からわかったのですが、これは床の間の塗り壁を塗る前に仕込んでおかないといけないやつだったのです…。
いくら失敗を恐れず挑戦するとは言っても、できる見込みが全くないことに挑戦するのは勇敢でなく無謀というもの。
さすがに、塗り壁の床の間のど真ん中にドリルで穴を開ける気にはなりません。
ここは後で考えることとして、出来ることから始めます。
釘を打つ場所
床の間の柱に打つ花釘。
まずはどこに打つのか、しっかり調べます。
すると「目安はあるが実は定まった位置がない」との記載があり、いきなり足止めを喰らいました。
そこで少し考えます。
他の茶室はどうだったかしら。
参考資料:水前寺公園 古今伝授の間
熊本は水前寺公園に、古今伝授の間という特別な茶室があります。
まさにこの日のために、肥後朝顔の展示会の時に釘を打つ場所をしっかりと観察し記録しておきました。
花釘は床の間の柱に打ちますが、これは上から1/3程度の場所が目安とされていますが、ここら真ん中よりやや上くらいに打たれているように見えます。
軸を吊るす軸釘は3箇所に打たれていました。そのうち一本は左右のちょうど中間でよさそうです。
参考資料 山口県の茶室
もう一つ参考に、ずいぶん昔に撮影した山口県の茶室。
ここはちょうど上から1/3くらいのところに花釘が、床の間のど真ん中に無双釘があるのが何となく確認できます。
他にもいくつかの資料を見て思ったのが、「それっぽい場所に釘が打たれていれば、それらしく見える」という事です。笑
施工する勇気が湧いてきました。
打つ
ではいよいよ覚悟を決めて釘を打ちます。
写真で見るそれは正に釘という形だったのですが、注文して届いた釘にはネジが切ってありました。
これなら施工は簡単。
ドリルで下穴を開けて、ねじ込みます。
シンプルな作業こそ、慎重に、丁寧に。
それでいて失敗を恐れずに、一気にやっつけます。
掛け軸をかける軸釘は、壁との隙間が小さいのでねじ込むのが一苦労でした。
ここは釘でトンカチを使った方が丁寧な施工ができるだろうなと思いました。
何にしても自らやってみる事で発見があるものです。
こういうことがわかるのが、DIYのいいところですね。
完成
釘を打ったら、掛け花入と軸を飾ります。
季節や時節、その折々にあった道具をかけるのが理想なのですが、ビギナーの私は手持ちの道具がほとんどないので、あるものを掛けます。笑
クリスマスツリーの定位置が床の間になっていたので、猫と一緒に記念写真を撮りました。
散らかり具合含めて、我が家らしい床の間の完成です。
茶室のこれから
これで茶室としては最低限、整いました。
ほんの僅かな飾り付けですが、その効果は抜群です。
いくつかの掛け軸を使い分けたり、季節のお花をここにいけるような暮らしができたらいいなと思います。
あれこれ求めるとキリがありませんので、わたしにとって、我が家にとって丁度いいところを見つけてゆきたいと思います。
全くもって、お茶の楽しみは尽きることがありません。
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