今年も地域の神社の秋祭りに参加しました。
今年取れた新米を炊いてお供えし、しめ縄を掛け替える、神様のためのお祭りです。
お米を炊く
新米をかまどで炊く。
こう表記すると実にシンプルなことですが、実際の経験は非常にリッチなものでした。
当日は土砂降りだったので地面はビショビショ。
野外に設置するかまどの中に、どのように薪をくべるか。
どの程度の焚き付け用の落ち葉を使うか。
どのタイミングで、どの太さの薪を入れるか。
迫り来る祭りのタイムリミットの中で即断即決を迫られます。

やっと火がついたかと思うと、左右から「もっと燃やせ」または「燃やしすぎるな」と相反するアドバイスが次々と飛び交います。笑
炊けたかどうかの見極めもまた感覚です。
神様のためのご飯なので試食はNG。
音と香りと見た目で、見極めるのです。
この動物的身体感覚をフル活用する感じ、現代社会で完全に失われている感覚だと思います。

普段は炊飯器でしかご飯を炊きませんので、「もういいかな?」「まだまだ」「あとちょっと」「全然足りん」という皆さんの感覚が正しいのかもわかりません。
コレで本当に炊けるのかとハラハラしていましたが、不安をよそに見事にご飯が炊けました。
村人たちの集合知ならぬ集合感覚です。笑
しめ縄を掛け替える
藁から手作りしたしめ縄を掛け替えます。
今年はこのしめ縄作りに参加して技術を学ぼうと思っていたのですが、全くダメでした。笑
去年も参加したので「しめ縄は毎年替えるもの」という感覚が何となく分かってきました。

まだ若干のフレッシュさが残る青々としたしめ縄が飾られると、不思議と気持ちも新たになるものです。
この時にはじめて知ったのですが、しめ縄からぶら下がっている飾りは「雷」と「雨」を表しているのだそう。
日本の神の世界は、自然崇拝の世界ですね。
朝7:00に集合して、しめ縄の掛け替えが終わったのが8:30で、これにて一旦解散。
1時間後に正装で再集合し、神事に参加します。
「しりかかえ」
神事が終わり、直会(なおらい:お宮の中でのお食事)を終えた後には「しりかかえ」という儀式が執り行われます。
由来が何かはサッパリ分かりませんが、その年の公民館の長、氏子の長、そして稚児を胴上げしながらその場でグルグル回るのです。
少子高齢化の著しい我が地域、数少ない子どもであるうちの息子が稚児に選ばれました。

高いところが苦手な息子は初めての胴上げに恐怖で涙目になっていましたが、周りの大人たちはどの顔を見ても満面の笑み。
えらいぞ息子よ、しっかり勤めを果たしたぞ!
お土産
神事が終わったら、お供物は参加者に振舞われます。
タイを丸々一匹頂戴したので、初しりかかえのお祝いとして「塩釜焼き」にしました。



生まれて初めて作りましたが、子供達にも大人気でした。
おわりに
地域のさまざまな行事に参加して約2年。
様々な周年行事の経験が「2回目の経験」になる事で、初参加の時には見えなかった世界が少しずつ見えてきました。
もっとしっかり観察し、記録してゆきたいと思います。
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