緑肥の魅力
サツマイモの栽培でクリムゾンクローバーの効果を目の当たりにし、改めて緑肥の魅力に取り憑かれてしまいました。
緑肥とは「植物の力で植物を育てる」技術の一つ。
土地の有機物含有量を引き上げたいのか?
水分浸透速度を上げたいのか?多様性を増したいのか?
養分循環を向上させたいのか(つまり化学肥料の使用を減らしたいのか)?
雑草を抑えたいのか?
害虫を抑えたいのか?
塩分濃度の問題に対処したいのか?
はたまた野生動物の棲み処をつくりたいのか?
花粉を運ぶ虫を引き寄せたいのか?
家畜の飼料にしたいのか?
リストはまだまだ続く。
何がすばらしいって、カバークロップ(緑肥)は正しく使えば、これらすべての目的に応えられるのだ。」
『土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命』ゲイブ・ブラウン著より引用
緑肥の可能性たるや無限大といっても大袈裟ではないと思います。
クリムゾンクローバーの効果
これまでの経験を踏まえて、クリムゾンクローバーの緑肥としての効果をまとめてみようと思います。
1.栄養素の供給(窒素と炭素)
マメ科植物なので、根っこに根粒菌を共生させて窒素分を自給自足します。
地上部が枯れてしまったあとは、それらが肥料として残ります。
さらに地上部も旺盛に茂りますので、ここからは炭素分、すなわち有機物の供給が期待できます。
実際にクリムゾンクローバーを刈り取った後に植えたサツマイモやカボチャは非常によく育ちました。
一方、肥料を多量に必要とするトウモロコシを育てるには不足感がありました。
トウモロコシの前作とするならば、何年かかけて土をしっかり肥やすか、肥料の追加が必要です。
2.雑草防除効果
いったん茂ったクリムゾンクローバーは森のように葉っぱを広げて、雑草に生育の余地を与えません。
刈り払ったあともしばらくは雑草を防ぐことができていましたが、梅雨の雨でイネ科雑草が優勢となりました。
刈り払いの時期に合わせて同じイネ科の緑肥「てまいらず」などを撒くことで抑える事もできるかもしれません(…どのみちスパイダーモアで刈り払うのでイネ科雑草に任せてもいいかも)。
少なくともカボチャの栽培に関しては放置しても雑草に負けることはなさそうだというのも分かりましたので、後作がカボチャ場合は特に問題にならないです。
刈り払ったあとの草対策については、後作次第ですね。
その他の緑肥
この夏にはクロタラリア「ネコブキラー」がどんなものかと思って試しに撒いてみましたが、想像以上にデカく育って驚きました。
軽く2mは超えています。
これだけの地上部を支えているのですから、相当深く根が張っているはず。
硬盤を貫き、物理性を改善してくれていることを期待します。
雨の日に見に来ないと結果は分かりませんが、雨の後に迂闊に近寄ると痛い目をみます。
植物をうまく活用して、雨の日にぬかるまない入り口の整備ができたら嬉しいですね。
他にもまだまだやりたい事、試したい事があります。
緑肥の研究もまた尽きる事のない楽しみを提供してくれます。
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