※この記事は極めて個人的な茶道の記録です。
11月は、一大イベント。
冬ごしらえの炉開きです。
裏千家の茶道では、春夏は風炉、秋冬は炉と、湯を沸かす場所が大きく変わります。
炉はまるで囲炉裏を2人で囲んでいるような空間となります。
全般的なチェックポイント
●炉の時は、必ず戸を締める。暖気を逃がさない。
●蓋置に柄杓を置く時の「コツン」という音、柄杓の柄を手放して「ポトっ」と落ちる音は、自然な流れから生じる音ならばOK。
●一方、演出としてワザと音を出すような扱いをするのはNG。
炉
風炉と炉は、点前がガラッと変わります。
炭手前はもちろん、柄杓の扱いや道具の置く場所など、炉の時とは異なる点が多いのですが、共通点も沢山あるので、それらを見つけていくのも初心者の楽しみの一つ。
竹寿棚

8角形の板で、側面に竹があしらわれている。15代鵬雲斎のデザイン。
柄杓を飾る時は、柄杓の合は上を向く。
柄杓を落としてしまったら
建水を運び出しているときに、うっかり柄杓を落としてしまいました。
こういう時は柄杓の合を落として、いったん水屋へ下がるそうです。
何のために下がるかというと、落としたはずみで柄杓が壊れていないかを確認するため、との事。
香(こう)
風炉の時は炭手前の際に置く香が香木でしたが、炉になると練り香に変わります。
よく使われるらしいのが、松栄堂というお香元の「梅ヶ花(うめがか)」。


正露丸みたいな見た目です。
少しこねて三角っぽくして香合に入れます。
茶杓の銘
茶杓の銘を考えるプロセスは、季節の変化に心を寄せる訓練。
11月からは、冬の銘です。
愛日(あいじつ
①冬の日光の異称 。 「冬日愛すべし 、夏日畏るべし 」 (中国 『春秋左伝 』 )より 。
②時間を惜しむこと 。また 、 「孝子は日を愛しむ 」 (中国 『揚子法言 』 )より 、寸暇を惜しんで孝行することをいう 。」
蘆田鶴(あしたづ)
田鶴は鶴の異称 。蘆の水辺に真っ白い鶴がいる美しい風景
→「鶴 」藤村庸軒作 、共筒茶杓 / 「田鶴 」裏千家七代最々斎竺叟作 、共筒茶杓
竈猫(かまどねこ)
猫が暖かい竈のそばで気持ちよさそうに寝そべっている冬の風情 。
臘八(ろうはち),臘八接心(ろうはちせっしん)
臘八は臘月八日、すなわち 1 2月 8日のこと 。
この日は雪山で苦行をしていた釈迦が悟りを開いた日といわれ、禅宗寺院では 1 2月 1日より 8日の暁まで不眠不休の座禅修行を厳修する 。
枯尾花(かれおばな)、枯薄(かれすすき)
尾花はススキ (薄 ・芒 )の異称 。美しく風になびいていたススキも 、晩秋になると北風や冷たい雨に打たれて葉も穂もすっかり枯れ尽くしてしまい 、哀愁を誘う 。
—『茶の湯の銘 季節のことば (淡交新書)』淡交社編集局著
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11月=11代目
茶碗や茶杓の銘と共に、誰の作かという問答をします。
勉強のために、11月は11代目の作ということにして名前を覚えて行こうと思います。
裏千家11代…玄々斎精中(げんげんさいせいちゅう)。天才。
楽家11代目…慶入。
11月を終えて
風炉から炉へとダイナミックに移り変わる11月。
とても新鮮な気持ちになる事ができる素敵な季節です。
思い返すと、私が茶の道に入り込んだのも炉の時期でした。
初心を胸に、お稽古を続けてゆきます。
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