(投稿日: 2020/12/11)
畑について調べていると、土づくりでは「堆肥」と「肥料」が分けて論じられていることが分かりました。
堆肥の役割…土をフカフカにしたり、水はけを改善する土壌改良剤
肥料の役割…文字通り野菜の栄養源
でも、堆肥といっても牛ふんや腐葉土にも植物の栄養成分である窒素やリン酸は含まれています。
つまり、堆肥の機能には肥料の機能と重複しているところがあるわけです。
このあたり、どのように考えるべきかと思っていましたら、全農のHPに次のような記載がありましたので引用します。
(以下、引用開始)
昔は堆肥を施用した場合でも、堆肥に含まれる肥料成分は考慮せず通常の量を施肥していました。
しかしこれを継続した結果、地下に流亡しにくいリン酸や加里が過剰に圃場に蓄積している圃場が多くなりました。
これを踏まえ、最近では堆肥に含まれる作物に有効な成分量を施肥量から差し引いて減肥するよう指導がされています。
堆肥を施用した場合の、窒素、リン酸、加里の減肥の考え方の一例を以下に示します。
施用する堆肥「牛糞堆肥A(例)」の成分量を、全窒素0.71、リン酸0.7、加里0.74(=含有成分(%);①)とし、その肥効率(=堆肥の肥料成分が作物に利用される割合(%);②)をそれぞれ、全窒素30%、リン酸100%、加里65%とします。
堆肥に含まれる成分で作物に利用される肥料成分含量(%)は、①×②/100で求められます。
その堆肥を、例えば2,000kg(2t)/10a施用した(堆肥施用量(kg/10a);③)場合は、①×②で求めた肥料成分量(%)に掛け合わせると堆肥由来の有効な成分量が求められ、その量が減肥できることになります(以下の例では約2割減肥)。
全窒素の場合:
①×②=0.71×30/100=0.213%(堆肥中の作物が利用できる肥料成分含量)
0.213/100×③=0.213/100×2,000kg=4.26kg/10a(10aあたりの減肥可能量)
通常の窒素施肥量が20kg/10aとすれば、指し引いて、
20-4.26=15.74kg/10a のみ施肥すればよいことになります(減肥割合21.3%)。
同様に計算すると、リン酸、加里の減肥可能量はそれぞれ、14.2kg/10a、9.6kg/10aとなり、いずれの通常の施肥量が窒素と同じ20kg/10aとすれば、リン酸、加里の減肥割合は、約71%、約48%となります。
結局この例では、リン酸肥料は7割削減、加里肥料は5割削減ができることになります。なお、肥効率が成分で異なるのは土壌中の動態の違いで、特に窒素は失われやすいために利用できる割合を低く設定しています。
このように堆肥を施用した場合には減肥量を計算して、適地適量施肥をこころがけましょう。
全農.営農・技術センター.肥料研究室/アグリウェブHP内コラム「土づくりと土壌診断⑫ 土壌改良資材の特性と使い方ーその2ー」より
(引用終わり)
やはりそうか!
(計算の仕方は詳しく読んでいませんが)思った通りに「堆肥の肥料分を計算して肥料の量を抑える考え方がある」と分かったのが収穫です。
土についての考え方がわかってきた気がします。
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