(投稿日: 2020/10/31)
沖縄は糸満市の「糸満フルーツ園けんちゃん」より。
各種SNSやYoutubeを活用して情報発信し、クラウドファンディングでオンラインサロンを主催しておられる現代的な農家さんです。
この園主さんはたくさんの情報を元文献付きで公開されているので、後学として大変ありがたいです。
アボカド栽培に有用な情報をピックアップしてゆきます。
アボカドの寒害の記録
公的機関の文献「鹿児島県における 2015 年 12 月~ 2016 年 1 月の低温による アボカド,レイシおよびパパイアの寒害」が紹介されていました。
鹿児島を襲った寒波の記録です。
【要旨】2015 年12 月18日と 2016年1月25日にそれぞれ最低気温 -1.2 °Cと -6.3 °Cを記録.
アボカド‘ピンカートン’では,-1.2 °Cの低温を記録した後に,花蕾,花房および葉の一部が 褐変.
-6.3 °Cの低温に遭遇した後,4 月までの間に樹体は枯死した.
‘ベーコン’および‘デューク’では,-1.2 °Cの低温 を記録した後には,寒害を受けなかったが,-6.3 °Cの低温に遭遇した後には,花蕾,葉および細い枝梢が褐変して,枯死したが,翌春には新梢が伸長し,新葉が展開するなど回復した.
鹿児島県における 2015 年 12 月~ 2016 年 1 月の低温による アボカド,レイシおよびパパイアの寒害
極寒に1日でも晒されると死に至るのですね…。
どの先行事例を見渡しても、アボカド栽培は寒さ対策が肝心だと触れられていましたが、寒害の具体的な事例に出会えたのは初めてです。
アボカド栽培の事例研究が落ち着いたら、文献研究も取り組まないといけませんね。
またこの文献で参考になったのが、路地植えのアボカドに風除けのスクリーンや鉄骨の支柱がされている画像があったことです。
根が弱く、根張りが浅く、果実の落下防止のために風対策が必要だというのもアボカド事例研究でよく触れられていますが、露地植えの場合は文献の画像のように風対策が必要になりそうです。
以前、宮崎の事例を研究した時に「南国の宮崎でハウスを建てるなんてもったいない!」と思っていたのですが、確実な出荷量の確保のためには、ハウス栽培が最もよいのかもしれませんね。
この投資に対する感覚が、農家の経営感覚ひいては経営手腕に関わってくるのでしょうか。
人生100年を考えるのは事業計画に似たところもあります。
こういう事例に触れることで僅かながらでも経営感覚を学んでいこうと思います。
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