ハンマースホイに関連して記事にしておきたかったのは、ハンマースホイの絵の師匠、クロイアの話です。
Wikipediaから紹介文を引用すると、クロイアはデンマーク最北端の町スケーエン(Skagen)に集まった画家たち、「スケーエン派」の代表的画家。

Wikipediaより引用
彼が、教え子であるハマスホイについて述べた文が残っています。
私の教え子にきわめて奇妙な絵を描くものがいる。
私には彼が理解できないが、優れた画家になるだろうから、彼を感化しないようにしている。
ハマスホイとデンマーク絵画展 図録より引用
このキャプションを見たとき、全身に鳥肌が立ちました。
「自分が理解できないもの」に対して、このような中立的で達観した態度を取ることができるものなのか…と暫し茫然とし、その後に深い感動に包まれました。
「ダイバーシティ」「インクルージョン」「多様性の尊重」などの単語は、多くの組織で掲げられるお題目となりましたが、この態度はその究極、理想ではないでしょうか。
このように導いてくれる人に出会えた人は幸せだろうなあ。
…と思ったところで、ふとまた別の言葉を思い出しました。
登場を待ち望んでいた人間に、我々がなる 。
ナバホ族呪術医
人生100年時代。
いずれ私も教える側となり、導く側となるかもしれない。
その時には、こういう風に考えられるようになりたいと思いました。
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