(投稿日: 2020/09/28)
世間を全く賑わせることのない「雪舟600年記念行事」。
にわか雪舟ファンとなった私は更に見聞を深めるべく、雪舟が作庭に関わったとされる常栄寺を尋ねてみました。
そこで期待以上に素敵な庭園に出会いました。

常栄寺 雪舟庭
私が惹かれたのはメインの庭園「雪舟庭」でなく、その裏庭。

南溟庭(なんめいてい)
安田天山(やすだてんざん)老師が古典造園の復元・修復や創作の大家、重森三玲(しげもりみれい)に
「雪舟より良い庭を作られては困る。恥をかくような下手な庭を作ってもらいたい」
と依頼。重森は固辞しましたが
「上手に下手な庭を作ってもらいたい」
と重ねて依頼。昭和43年、重森 72歳のとき築庭したものです。
常栄寺HPより南溟庭の所縁
さすが禅寺、と言いたくなる禅味溢れる注文。
一度は断るのも納得です。笑
重森 三玲(しげもり みれい)の作庭ということで調べてみました。
重森三玲は元々、画家を目指していたそうです。
名前も憧れの画家「ミレー」にちなんで改名したほど。
それで満足すればいいものを、自分の実子にカントやらバイロンやら名前をつけてしまう、ちょっとアレな人。
画家の道は挫折したものの、庭園の世界で大成功。

前衛いけばな運動に深い関わりがあったのも納得の「攻めた庭」が多い印象の重森。
前衛いけばなと同様、私はあまり攻めたデザインの庭は好きではありません。
しかし、南溟庭は「人の手で作られた人工感」と、もしかしたら自然のどこかに本当にこういう場所があるような気がする」そんなバランスが感じられます。
枯山水の波紋からは本当に水を感じました。

雪舟600年記念行事。
楽しもうと思います。
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