(投稿日:2020/08/26)
数ある茶道具の中のひとつ、茶杓と道具につけられる銘について。
茶杓とは、抹茶を容器(茶器)からすくって茶碗に入れるためのティースプーン的な道具です。
銘とは、道具につけられる名前のようなもの。
私の通っている茶道教室のお稽古では、「お道具(茶杓など)に名前(銘)をつける」と言う風雅な訓練があります。
お茶の世界で有名な道具にはほぼ必ず銘がついています。
千利休が死の間際に作って古田織部に託した茶杓「泪(なみだ)」は銘と合わせて特に有名です。

以前にも触れましたが、お茶の楽しみにはさまざまな茶道具を鑑賞するという楽しみ方があります。
この「鑑賞」は単に眺めるだけではなく、道具に名前や由緒がある場合はそのバックグラウンドやストーリーもまた大きな楽しみの一つとなります。
季節感のある名前をつけてみたり、禅の言葉から引用してみたり、その場の会話をうまく捉えて銘に反映させたり(苦手です笑)して遊ぶのです。
もう1つ、茶杓の銘について有名な例。
好きな銘に「猫の鼻」という名のものがあります。
江戸時代前期の茶人、山田宗徧の作。
自ら削って茶杓を作ったところ、どうにも長さが長くなってしまいました。
でも、もう少し削るべきところを、あえてそうしなかったそうです。
長さをもう少し詰めたい…
つめたい…
冷たい…
そういえば猫の鼻は触ると冷たい
この茶杓は「猫の鼻」と名付けよう!
こんなダジャレのような世界もあるのです。
自分で持っているお道具にも、いつか銘をつけたい思います。

なんて名前がいいかしら…
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